【ふきのとうのオリーブオイル煮】のお話
Date:Mar 16, 2020 (Mon)
【庭一面のふきのとう!】
今私たちが住んでいるこの「芳泉茶寮」を購入して3か月ほど経った2012年3月、当時は週末だけ東京と長南町を行き来していたのですが、散歩していた庭に数えきれないほどの「ふきのとう」が顔をだしていることに気が付きました。
よく見るとふきのとうは敷地一面に生えていて、他にもヨモギやセリ、三つ葉などの野草がたくさんありました。
東京では苦労してスギナやドクダミを探していたけれど、ここでは使いきれないほどの野草に恵まれている。そう思うと本当の豊かさを実感するようになりました。
【実はふきのとうが苦手】
いっぱい摘み取ったふきのとう。
しかし、実は私はふきのとうの苦みが大変苦手なのでした。何度も茹でこぼしてあくを抜き、ようやくふきのとう味噌にして食べても、せっかくたくさん採れるふきのとうを使い切ることができません。
そもそも、とてもパワフルが野草ですからそこまでたくさん食べるものでもないのだけれど、それにしても、楽しんで食べることができないのはもったいない。
私でも喜んで食べたいと思える料理法はないかしら?と考えてつくったのは「ふきのとうのオリーブオイル煮」でした。
何度も茹でこぼしてあく抜きをしたふきのとうを刻み、たっぷりのオリーブオイルで水分を飛ばすように煮ていきます。そして、ニンニクと鷹の爪をいれて、ペペロンチーノ風に。
これがとーっても気に入ったのです。
ふきのとうの豊かな香りを感じながら、いろいろなお料理に使えるし、保存もできる。この地の恵みを少し離れた都心の人たちにも味わっていただける。
こうして出来上がったのが「ふきのとうのオリーブオイル煮」でした。
【ふきのとうのオリーブオイル煮の活用法】
まず、いちばん手軽なのはパスタ。
茹でたスパゲッティふきのとうのオリーブオイル煮を絡めれば出来上がり。簡単すぎて料理とも言えないぐらいです。
春の香りを満喫できます。
そして、次にお手軽なのはトーストにチーズ+ふきのとうのオリーブオイル煮。
お好みのパンにチーズをのせて、少しトースターで焼きます。ちょっとチーズが溶けるぐらい。トースターから出して、食べるときにお好みの量のふきのとうのオリーブオイル煮を載せて食べます。
チーズとの相性抜群!
ちなみに、ふきのとうのオリーブオイル煮の中にチェダーチーズなどをサイコロ状に切ったものを漬けておくのも最高です。それをライ麦パンに載せて食べるのも私たちのお気に入り。
他にお勧めは、茹でたジャガイモと和えた一品。メークイン系のジャガイモのほうが合うかと思います。この、ジャガイモとふきのとうのオリーブオイル煮を会えたものをさらに茹でたパスタと合わせるのも美味。パルメザンチーズを振りかけたら最高です。
そして、私が一番気に入っている料理は「ふきのとう豆腐」。
これはレシピページで紹介しますね!
【昔からずっと続く恵みを、新しい方法で楽しむ】
ふきのとうといえば「天ぷら」と「ふきのとう味噌」ぐらいしかやったことないわ。地元の方にお話しをうかがうとたいていこのような声が返ってきます。
そうです、やはりそれが王道だし、伝統的に楽しんできた味を超えるのは本当に難しい。
ふきのとうのオリーブオイル煮は、私達世代の方達には普段の食生活に取り入れやすいのではないかと思います。アレンジもしやすいし、毎日の食卓で使いやすいと思います。
こうして、今までの当たり前にちょっとしたスパイスを加え、アレンジして新しい楽しみ方を提案する。これが私たちがこの地でできることではないかと感じています。
世界中を食べ歩いて、いろいろなものを食べてきた私たちができること。
都会には世界中からの食べ物が集まり、あふれています。東京は世界一、食材が豊富な街ではないかと思います。いつでも、世界中からよりどりみどりの食材が集まる。
一方、ここ長南町の、芳泉茶寮の庭だったり、あるいはご近所さんの庭だったり。そんな、本当に限られた場所の、その上限られた季節にしか手に入らない食材。それを愉しめるという豊かさ。そしてそれを分かち合えるという豊かさ。
芳泉茶寮のキッチンでは、このような幸せや豊かさを感じながら日々手仕事をしています。私達の作るものを受け取って、召し上がってくださるみなさまに、長南町の季節の恵みを愉しんでいただけますように。
【ふきのとう豆腐のレシピはこちら】
見た目は派手さのない、というよりむしろ、こんなに地味な見た目の料理は珍しいぐらいなのですが、絶妙な味がなんとも言えない「ふきのとう豆腐」。
ぜひ一度トライしていただけたらと思います。