食事や中国茶に寄せて、日々の雑感
振り返ってみると、私たちの暮らしは「食べる」ことから広がり、深まり、繋がってきました。
日々の食事は、健康的な体と心をつくるための基礎となる、ということは間違いありませんが、「食」が手掛かりとなり、異国の文化や歴史への理解に導いてくれたことが、今の私たちの暮らしにたくさんのインスピレーションをもたらしてくれました。
そしていつしか私たちは「食」を通じて表現し交流するようになりました。
「芳泉茶寮」に至る食の変遷~私たちが美味しいと思うものを、分かち合いたい~
芳泉茶寮のある千葉県長南町は、里山の恵み豊かな場所です。季節の移ろいとともに、食の恵みが絶えずめぐります。自然からの恵み、そして、日々手を動かして農作物を作ってくださる方々のお陰で、普段から行き来のある顔の見える方たちからの新鮮で安心感のある食べ物に囲まれて生きる幸せを実感しています。
「食」が暮らしの中心だった私たち。この地で私たちが出来ることはなんだろう?と思った時、この地の豊かな食材を使ってみなさんに美味しいものを提供したいという想いが自然に湧いてきました。
昔ながらの品種のいちごを作り続ける方に出会った時、イギリスのガーデンセンターで食べた素朴な田舎風のスコーンを想いだしてワクワクし、ジャージー牛を育てながらチーズをつくる農家さんに出会って、その方からホエイを買わせていただいて作ったスコーンのおいしさと香り。
この地に住むことになるなんて思いもよらなかった頃にレシピにしていたオリジナルの「中華タレ」を使い、長南町の美味しい蓮根と香り高いきのこと合わせて作る「蓮の葉に包みの中華おこわ」。
こうして生まれるさまざまな「美味しいもの」を、その背景とともにみなさんと分かち合い、交流を続けていきたいと思っています。